事業承継と廃業、それぞれの選択肢について

この記事では、事業承継の基礎について紹介します。

更新日:2024.06.28

この記事では、事業承継と廃業について紹介します。

1. 事業承継と廃業の基本概念

1.1. 事業承継とは

 経営者が企業の今後を考える際に浮かぶ選択肢は事業承継か廃業のいずれかでしょう。事業承継は、現経営者が事業を次世代に引き継ぐことを指しています。事業承継には、親族内承継、社内承継、第三者承継があります。承継は、経営権だけでなく、経営ノウハウや企業文化の引き継ぎも重要です。事業承継の計画は、長期的な視点で行われるべきです。承継により、事業の継続性と成長が期待されます。

1.2. 廃業とは

 廃業は、事業活動を完全に終了し、法人格を消滅させることです。廃業には会社解散や清算が含まれます。事業の収益性低下以外に、後継者が見つからない場合に廃業を選択されることが多いです。廃業は事業資産を売却し、負債を清算することが伴います。最終的に、事業は法的に終了し、法人は消滅します。

1.3. 事業承継と廃業の違い

 事業継承は計画的に時間をかけて行われることが多いですが、廃業は短期間で完了することが多いのが特徴です。事業承継は引継ぎを伴い、廃業は清算が伴います。それぞれの選択肢には異なる法的手続きが必要となります。また、事業承継は、事業承継に伴い譲渡代金、創業者利益が得られますが、廃業は清算した残りの金額のみの受け取りとなります。

1.4. 法的手続きの概要

 事業承継と廃業には、それぞれ特有の法的手続きがあります。事業承継では、株式譲渡や役員変更、必要に応じた許認可の継承が必要です。廃業では、解散、清算、法人登記の抹消が必要です。どちらの手続きも、専門家の助言を受けることでスムーズに進めることができます。

2. 事業承継のメリットとデメリット

2.1. 事業承継のメリット

 事業承継には多くのメリットがあります。まず、事業の継続性が確保されます。それにより、企業文化やノウハウが次世代に引き継がれます。従業員の雇用が維持され、社会的安定が保たれることもメリットです。また、経営資源が有効に活用されます。経営者の退任後も、事業の成長が期待されます。

2.2. 財務的観点のメリット

 事業承継により、企業価値の維持が可能です。承継に伴う税務優遇措置が利用できます。資産の評価が適切に行われ、後継者に引き継がれます。財務リスクが分散され、安定した経営が期待されます。資金調達の継続性が確保されます。

2.3. 事業承継のデメリット

 事業承継には時間と費用がかかる点がデメリットとして考えられます。後継者の育成や教育が必要となり、それにも時間と費用がかかります。また、事業承継計画の失敗は、企業に深刻な影響を与えます。失敗により、承継後の経営が不安定になる可能性もあります。

2.4. 人的資源の観点でのデメリット

 事業承継には、法務および税務の準備が欠かせません。法務面では、遺言書や株主間契約の作成、取締役会や株主総会での承認手続きを行います。税務面では、相続税や贈与税の負担を軽減するための対策が必要です。これには、税理士との連携や適切な資産評価が含まれます。また、事業承継に伴う税務リスクを最小化するための計画を立て、事前に必要な手続きを済ませておくことが重要です。

2.5. 事業承継成功のためのポイント

 事業承継の成功には、計画的な準備が必要です。そのために、まず後継者の早期育成が重要です。後継者の育成には専門家のアドバイスを受けることが推奨されます。また、経営者の親族、従業員、取引先との透明性の高いコミュニケーションが重要です。そのうえで、事業承継に向けた継続的なモニタリングと調整が必要です。

3. 廃業のメリットとデメリット

3.1. 廃業のメリット

 廃業のメリットの1つは、経営者が新たな事業や引退に専念できることです。経営者は、事業の責任から解放されます。負債の整理が可能になり、財務的なリセットが行えます。市場からの撤退がスムーズに行われることが多いです。従業員への退職金や労働条件の見直しができます。

3.2. 財務的観点でのメリット

 廃業により、未払いの債務や負債が整理されます。資産を売却することで、現金化が可能です。財務リスクを最小化し、経営者個人の負担が軽減されます。法人税やその他の税負担から解放されます。財務的な問題からの解放は、経営者の精神的負担も軽減します。

3.3. 廃業のデメリット

 廃業には、従業員の解雇や取引先への影響があります。地域経済に対する影響も無視できません。廃業手続きには時間と費用がかかります。経営者のキャリアや評判に影響が出る可能性があります。廃業は最後の手段として選択されることが多いです。

3.4. 社会的観点でのデメリット

 廃業により、地域社会における雇用機会が失われます。取引先や顧客に対する影響も大きいです。社会的信用が失われることがあります。事業終了に伴う経済的損失が発生します。地域コミュニティに対する貢献が途絶えます。

3.5. 廃業の代替案

 廃業の代替案として、事業売却やM&Aがあります。パートナーシップや共同経営の形で事業を継続する方法もあります。事業の一部を売却し、規模を縮小する選択肢もあります。経営改善策を講じ、事業を再生する方法も検討されます。外部からの投資を受け入れ、事業を存続させる方法もあります。

4. 廃業のプロセスと準備

4.1. 廃業の計画と準備

 廃業には計画的な準備が不可欠です。まず、事業の現状分析と評価を行います。他に法的手続きや必要な書類を整備します。従業員や取引先への対応策を講じる必要もあります。資産の売却や負債の整理計画を立てます。

4.2. 清算手続きの流れ

 清算手続きは、法人の解散から始まります。清算人の選任と通知が必要です。資産の売却と負債の返済を行います。最終的な残余財産を株主に分配します。法人の登記を抹消し、法的に廃業が完了します。

4.3. 税務手続き

 廃業には税務手続きが伴います。法人税や消費税の確定申告が必要です。税務署への廃業届を提出します。退職金や解雇手当の税務処理も重要です。税務処理は、専門家の助言を受けることが推奨されます。

4.4. 従業員への対応

 従業員への適切な対応が求められます。解雇予告や退職金の支払いを行います。再就職支援を提供することが推奨されます。従業員とのコミュニケーションが重要で、廃業に伴う心理的負担への配慮が必要です。

4.5. 廃業後の生活設計

 経営者は廃業後の生活設計を考えることが重要です。新たな事業や引退後の生活計画を立てます。財務状況の見直しと資産管理を行います。廃業後のキャリアパスを考慮します。専門家の助言を受けながら、将来設計を行うとよいでしょう。

5. 事業承継のプロセスと準備

5.1. 事業承継の計画と準備

 事業承継には長期的な計画が必要です。計画の中で、後継者の選定と育成が重要です。事業承継計画を策定し、ステークホルダーに説明します。法的手続きや必要な書類を準備します。資産の評価と承継方法を決定します。

5.2. 後継者の育成

 後継者育成には時間がかかります。経営スキルや知識の習得が必要で、実践的な経験を積ませることが重要です。経営者との連携とサポートが求められます。教育プログラムや専門家の助言を活用するとよいでしょう。

5.3. 法的手続き

 事業承継には法的手続きが伴います。株式譲渡や役員変更の手続きが必要です。許認可の継承や契約の引き継ぎを行います。法的手続きは専門家の助言を受けながら進めます。適切な書類の準備と提出が重要です。

5.4. 税務手続き

 事業承継には税務手続きが必要です。相続税や贈与税の対策を講じます。税務優遇措置を活用することが推奨されます。適切な税務申告と処理を行います。税務専門家のアドバイスを受けることが重要です。

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6. まとめ

 事業承継と廃業には、それぞれ異なるプロセスとメリット、デメリットがあります。事業承継は、現経営者が事業を次世代に引き継ぐプロセスであり、親族内承継、社内承継、第三者承継があります。これは経営権だけでなく、経営ノウハウや企業文化の引き継ぎも含まれます。廃業は、事業活動を完全に終了し、法人格を消滅させるプロセスです。事業の収益性低下や後継者が見つからない場合に廃業を選択されることが多いです。事業承継のメリットには、事業の継続性や従業員の雇用維持、税務優遇措置の利用がありますが、デメリットとしては時間と費用のかかる点が挙げられます。廃業のメリットは、負債の整理や経営者の新たな事業への専念が可能になる点です。デメリットとしては、従業員の解雇や地域経済への影響が考えられます。どちらの選択肢にも特有の法的手続きがあり、専門家の助言を受けることが推奨されます。事業承継の成功には計画的な準備と後継者の育成が重要です。廃業の場合、計画的な準備と従業員や取引先への対応が求められます。

 これまで、弊社の専門家は後継者問題を抱える多くの経営者とお会いしてきましたが、後継者がいなければ廃業するしかないと考える方もいらっしゃいました。現在は、M&Aによる事業承継もポピュラーになってきました。廃業を考える際は、事業承継も選択肢の1つとして考えてみてください。

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